【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「AIも哲学も『圏論』活用」から

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2026.7.19  日本経済新聞の記事「AIも哲学も『圏論』活用」から

仕事に活用数学拡張ツール、裾野広がる

コラムの著者 矢野 摂士氏(日本経済新聞社 サイエンスグループ記者)は、近年注目を集めている数学での「圏論(カテゴリー論)」を前回のコラムで紹介している。圏論は物事の関係性に着目した数学の研究分野であるが、矢野氏は、今回AI分野での活用と人文科学の哲学でも応用が進んでいることを示している。

◯圏論は時代思潮に地殻変動をもたらす可能性もある

矢野氏によれば、圏論では関係性を「対象」と「射(矢印)」の組み合わせで表現し、物事の構造を抽象的に表現できるという。

まず、圏論をAI分野で応用する事例を矢野氏は示している。丸山 善宏氏(京都大学 准教授)が今年5月AIの3大国際学会の1つであるICMLで公表した論文で、圏論を活用して効率的な機械学習モデルを作る手法を提唱している。当該論文では、物事のつながりを示すグラフ構造を使ったり、つながり方のルールを扱ったりする異なる2つの機械学習モデルを、順序構造を保って学習するニューラルネットワークと呼ぶAIモデルで統一できると説明している。さらに、このAIモデルは圏論を用いる「圏同変ニューラルネットワーク(CENN)」と呼ぶ新たなモデルに拡張できると説いた。つまり、「従来のモデルに比べて複雑な構造を保ったまま学習できる」ことを意味すると丸山准教授は述べている。

丸山准教授の論文をわかりやすい事例として、矢野氏は猫を画像認識する場合について解説している。通常のニューラルネットワークでは、猫の向きが回転したり、姿勢が乱れたりして見え方が変わると正しく認識できないことがある。そこで丸山准教授のCENNでは、猫の身体の構造や部分同士の関係、さらに対応関係を「圏」として捉えるとする。これであれば見た目や配置が変わっても猫として認識できるようになるという。

近年活用の進む生成AIでは、性能は高いが、計算資源つまりエネルギー消費量が桁違いに大きいという課題がある。だが、CENNを使えば、効率的に性能を高めた機械学習モデルを作ることにつながると丸山准教授は説明している。

人文科学である哲学でも圏論的発想を取り入れる動きがあるという。「万物は流転する」ことをモノを固定した実体としてではなく、むしろ絶えず変化する「流れ」として捉える哲学の系譜は、古くは哲学者ヘラクレイトスに遡るという。こうした思考法は「圏論と相性が良い」と大塚 淳氏(ZEN大学 教授)は説明している。

哲学では存在するものについて静的に分析することが多い。問題となるのは存在の「同一性」であるという。例えば、昨日の私と今日の私は同一性を持つのか。時間が経過すると人の身体は代謝によって細胞を入れ替えるため、数週間後には別の存在ともいえるかもしれない。だが、私という意識は同じと感じられる。「『違うけど同じ』という同一性を定式化するのに圏論は役立つ」と大塚教授は述べている。

圏論が注目する関係性は変化や対応関係として捉えることができる。つまり私という存在は固定された実体ではなく、時間と共に変化し続ける身体や意識などの状態が一貫した対応関係で成り立っている。このことは、昨日の私も今日の私も同一性を定式化できることを示しており、ヘラクレイトスの「万物流転」に通じる視点であるという。∫=θδπ⇧🏺🧮🧠⏱️💬🧑‍⚕️👦👩🤝👨💡👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵

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