2026.8.6 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:スマイルカーブが消える日」から
現代の産業構造は水平分業、垂直統合の両者が並行
コラムの著者 中山 淳史氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、人のスマイルのように見える、お馴染みの産業分布図「スマイルカーブ」は、1990年代に台湾のPCメーカー創業者が唱えた理論の一部とされている。スマイルマークに見えるのは、位置する製造・組み立て業の付加価値がいつもへこんでいることから、製造業の多い日本企業の苦境を表すことばにもなった。
○ビジネスモデルの変化がもたらす産業構造の変化
中山氏によれば、このスマイルマークにも変化が現れ、2025年まで5年間を平均したグラフの形は、真ん中が底上げされ、全体でも口を結んだような、やや硬い表情を表していると、日立総合計画研究所(東京・千代田)が示しているという。調査対象は売上高が30億ドル以上ある世界の株式上場企業約700社(上位20%)である。産業の上流(研究開発系)、中流(製造業系)、下流(情報サービス系)の3つに分類し、「付加価値のCAGR(複利ベースの年平均成長率)」という数字に注目している。ここでの付加価値は利益、人件費、減価償却費などを足したもので、国内総生産(GDP)を計算する際と本質的には同じであるという。さ
て、スマイルマークの変化の要因は何か。同研究所の専門家によると2つの傾向を指摘している。
- 供給網の見直し:リショアリング(本国回帰)で半導体不足を起こした新型コロナウイルス禍や米中対立からサプライチェーンの見直しが進んだ。見直しは自社や自国での生産に切り替え、製造現場でのデジタル化で生産性を向上させた。
- ビジネスモデルの変化:製造業の位置付けが、グラフでいう上流、下流から付加価値の高い事業領域を取り込み、知的生産(IP)、サービスと組み合わせたこれまでにない稼ぐ仕組みを持ち始めた。
さらに産業史を紐解くと、垂直統合型の企業が主導権を握る時代と、水平分業型がそれを逆転する時代が交互に訪れたことが知られている。だが、次はどちらかではなく、どちらもの時代ではないかと中山氏は予想している。肝心なのは付加価値を自社に誘導するエコシステムや経営モデルを持つことであり、水平か、垂直かという分類法自体が陳腐化したともいえる。さらに、スマイルカーブがなくなる方向、製造業を底上げする方向に産業構造を変えて行く必要がありそうだと中山氏は示唆している。🏭☺️📱🛜👩💼🧑💼🏠🏢🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸
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