2026.9.3 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:AI時代の『ユニクロ』」から
「売れる理由」を店で作り、AIに選ばれる商品を作る
コラムの著者 杉本 貴司氏(日本経済新聞社 コメンテーター)は、インターネットでモノを買うのが当たり前になった現代に小売業にとって商品を並べるリアル店舗が持つ意味とは何かという「古くて新しい」問題の答えをファーストリテイリングに求めている。
○リアルで商品を手にする価値の再発見を店舗で
杉本氏によれば、柳井正会長兼社長は、日本国内のユニクロの店舗戦略を見直すと言う。国内の旗艦店を2倍にする計画であるが、「古くて新しい」と表現したのは理由があるという。柳井氏は旗艦店の価値について気付かされたのは30年近くも前だからである。
1998年8月の初めのことである。夏休みで家族とともに訪れたスペイン・バルセロナで柳井氏の目に留まったのが、街を行き交う人々が持つ「ZARA」の紙袋であったという。そこで目抜通りの大型店に入ってみた。夏の盛りなのに、店に並ぶ服はほとんどが秋冬物であった。実は、次のシーズンの流行を自ら作り上げていたのだという。バルセロナの旗艦店はZARAとはそう言うブランドなのだと無言で示していた。
この時、柳井氏は長年の悲願であった東京都心への初出店を計画していた。原宿に確保した3フロアある大型店でユニクロをどう表現すべきかが課題であった。そこで、1階をフリースで埋め尽くしたことで、ファッションの中心地で「ユニクロとは何か」を示した。狙いは的中し、フリースは老若男女を問わず、安く、流行に左右されないという当時のユニクロのイメージを示し、ブームを巻き起こした。
だが、この勢いで海外に展開したが失敗をした。そこで柳井氏は、アパレル業界で成功者である経営者に世界戦略を訊ねたところ、そもそもアパレルで世界展開するのは不可能ではないかと言われた。ただし、こう付け加えた。「一つだけ方法があるとすれば、自力で巨大なデパートのような店を作ること」で、例としてZARAが挙げられた。
「服を売る前にユニクロを売れ」という教えを柳井氏は実行に移していく。手始めに2006年11月、米ニューヨークの一等地に旗艦店をオープンした。ここから一気に世界展開が加速していく。世界の主要都市に旗艦店を作り、ブランドイメージの発信拠点としていった。それから20年経った今、日本国内でなぜ旗艦店なのか。
その真意は20年前の成功体験の移植ではない。アパレルもネット購入が当たり前になり、消費者の好みを熟知したAIエージェントが買い物の代行をする時代が、もう直ぐ来る。柳井氏は、常々口にする「売れる理由」を店で作り、AIに選ばれる服にするためにも、旗艦店を軸とするブランドイメージの発信はこれまで以上に重要になると見ている。🛜🤖👚💻🧠👩💼🧑💼🏠🏢🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸🇪🇸
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