2026.10.19 日本経済新聞の記事「Financial_Times:人材採用、AIエージェントが『身びいき』」から
AI使った履歴書を評価
コラムの著者 ピリタ・クラーク氏(FINANCIAL_TIMES ビジネス・コラムニスト)が取り上げた逸話は、2026年夏、英国の法律事務所のIT職の人事採用で最近応募が急増した背景に関するものである。
○採用されたのはAIエージェントの最高評価を得た応募者ではなかった
この法律事務所の人事採用担当者によれば、1年前なら履歴書を送ってくるのはせいぜい20〜30人程度であったのが、AIの普及で応募は格段に手軽かつ短時間で出来るようになり、今回は178件となったという。問題は人事選考に時間がかかってしまうと、優秀な人材が他社に採用される可能性が高まることである。そこで、人事担当は人間による書類選考に比べてAIエージェントがどれくらい効果的かを評価することにした。
担当は、米MSの生成AIコパイロットにAIエージェントを設定し、応募者に求める経験などを指示した。次に人事担当が候補を10人程度に絞った上で、AIに評価するように指示した。
AIは即座に作業を終え、優先度をつけてきた。一方、人事担当も同様な評価を行ったが、2つの候補者リストは一致しなかった。AIエージェントは、「並外れたIT実績を記録的スピードで上げた」とか経験が乏しいはずなのに「大規模プロジェクトに関わった」といった華々しい経歴を謳う応募書類を高く評価したという。だが、これらの経歴は、一言で言えばあり得ない話で、応募書類をAIの助けを借りて書き上げた形跡があったという。
同事務所の人事統括は次のように分析した:
- AIスキル自体が採用要件の1つであるため、応募書類作成にAIを使った形跡があればスキルが証明されたとAIが解釈した可能性がある
- AIが作成に関わった応募書類を、それ自体を理由に積極的に好んだ可能性がある
ということは、AIが「身内贔屓(ひいき)」した可能性があるという。これはAI採用ツールの挙動を分析した研究の結論とも一致するという。
AIがAIを好む偏りがあるなら、新たな危険が加わるとクラーク氏は述べている。採用側と相性の悪いAIを使った候補者と全く使わなかった候補者を考えてみよう。AIの身内贔屓対策として、応募書類が何によって作成されたかを無視し、内容を重視することを指示すれば、2つの候補者に大きな評価の差異は出てこないだろう。さらに、1つのAIツールの評価に対するバイアスを下げるために、複数の評価モデルを使うことだとクラーク氏は示唆している。なお、実際に採用されたのは、AIエージェントの最高評価を得た応募者ではなかったという。🛜🤖💻🧠👩💼🧑💼🏠🏢🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇺🇸
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