2026.9.27 日本経済新聞の記事「深海の『発電所』生命育む」から
熱水孔に電気で生きる細菌
コラムの著者 堀川 みなる氏(日本経済新聞社)によれば、太陽光が届かない深海に「天然の発電所」があるという。高温の熱水を噴き出す熱水噴出孔がそれで、電子の流れから電気が生まれ、その電気を糧に生きる細菌も発見されているという。
◯地球で最初の生命は何をエネルギーにして生まれたのか?
堀川氏によれば、この細菌の発見が、「地球で最初の生命は何をエネルギーにして生まれたのか?」という長年の謎を解く研究として注目されているという。
| 第3の生態系になり得る | ||
| 生態系 | エネルギー源 | 生産者 |
| 光合成 | 太陽光 | 植物 |
| 化学合成 | 硫化水素、水素 | 細菌 |
| 電気合成 | 熱水噴出孔の電気 | 細菌 |
今年6月に学術誌に掲載された海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの研究グループの研究成果が「深海の熱水噴出孔の近くにいる細菌が電気エネルギーを使って増殖していることを実証した」もので、注目されている。
熱水噴出孔は、地球を覆うプレートがある深海に地下深くまで染み込んだ海水が地熱で熱せられ数百℃に達する熱水を噴き出す穴である。噴出孔の周囲には熱水に溶けていた硫化鉱物や硫酸塩鉱物などが堆積し、煙突状の「チムニー」と呼ばれる構造物が形成される。その周囲に約600mVの微弱な電位差が生じているという。
研究チームは実験室でチムニー周辺で起こる放電現象を再現するために、まず沖縄県近海の深海にある熱水噴出孔の近くにある岩石を採取した。この岩石を人工海水で満たして培養装置に入れ、チムニー周辺で発生するのt同じ強さの電気を流し、岩石にいる微生物の種類や増殖の様子を調査した。結果、チオミクロラブダス属細菌の一種「SREC-4株」と呼ばれる細菌が増殖しているのが観察できた。培養の途中で岩石を炭素繊維でできた素材に入れ替えても細菌は増殖した。細菌が二酸化炭素を取り込んで、有機物に変換している様子も観察できたという。これは、太陽光による光合成や硫化水素、水素の化学合成とは異なり、自然界で発生する微弱な電気を直接使う「電気合成」によって生育していることを示している。
この「天然の発電所」を調べると生命誕生の謎につながるもう1つの発電の仕組みも見えてくるという。生物は細胞の内外のイオンの濃度差を利用してエネルギーを生みだしている。しかし、生命がどのようにしてこのようなエネルギー変換の仕組みを獲得したのかという謎が残っている。この電気合成のような第3の生態系は、今後原始地球で生命が何をエネルギーにしていたのかを探る手がかりになりそうだと、堀川氏は述べている。🌋🦠💬❤️🧠👩💻📖✒️📕🧑⚕️👦👩🤝👨💡👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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