2026.10.17 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:AIは救世主か死に神か、来たる超知能」から
今こそ人知結集を
コラムの著者 河浪 武史氏(日本経済新聞社 ワシントン支局長)は、今の激化するAIの開発競争をかつての原子力兵器と原子力発電所の事例に酷似していることから、米国の原子力爆弾の開発責任者だった米科学者オッペンハイマーと米ソ核戦争回避に尽力した米外交官のヘンリー・キッシンジャーの言論を引用し、その開発の善悪について論じている。
◯開発減速論の裏に暴走と進化
河浪氏によれば、1945年7月、米西部ニューメキシコ州で人類初の核実験を見届けて「我は死に神、世界の破壊者なり」という聖典の一節を思い浮かべたという。2023年に100歳で亡くなる前の晩年にキッシンジャーは、AIが持つ破壊的リスクに警鐘を鳴らし続け、核技術と同じ「死に神」の影を見たからだろうと河浪氏は考えている。
現代の米アンソロピックCEOのダリオ・アモデイ氏らは開発減速論を訴えている。理由は以下の2つからだという;
- AIが予期せぬ暴走を始めた:同社の試験モデルは米東部フィラデルフィアの警察に偽の犯罪情報を流し、国防省には架空のビザを20件も申請したという。AIで巧妙化した連続的なサイバー攻撃は金融業界や電力各社など社会インフラに緊張をもたらしている。
- AIが自力で進化し始めた:AIモデルは、1990年代未解決だった流体力学の難問をわずか88時間で解く能力がある。そのAIの再帰的自己改善(RSI)は想定より早く人工超知能(ASI)の誕生を促し、人知によるAIの制御を困難にする。
だが、AIは人類の救世主になる可能性もある。人間並の汎用人工知能(AGI)が実現すれば医学界と創薬の進化で平均寿命は150歳まで延びると予想されているという。
人間による悪用リスクは原子力兵器以上に脅威でもある。AIモデルは2026年5月、鳥インフルエンザを哺乳類に適応させる実験計画に使われかけた。それは高致死率のパンデミック兵器の危険を招く。
悲観シナリオと楽観シナリオはどちらが優勢か。1938年に発見された核分裂は7年後に原子爆弾の悲劇を生み、発電として平和利用されるのは1950年代以降である。主要国が核不拡散条約を結ぶまで30年以上もかかっている。キッシンジャーが憂慮したように、AIは軍事利用で勢いが増している。米国防総省は1年以内にAIを全面活用した「自律戦闘軍」を創設する。イスラエルは殺害対象をAIで自動抽出する「アルゴリズム暗殺」を編み出し、パレスチナ自治区のガザで既に実用化した。
AIの制御に必要なものは、結局はAIに追い越される寸前までに人類の知恵の結集であろう。AIに「死に神」のリスクをみることで、国家観や宗教観を越えた結束が可能となろう。🛜🏭💻🤖🧠👩💼🧑💼🏠🏢🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳🇺🇸🇮🇱🇷🇺🇺🇦🇵🇸
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