2025.10.29  日本経済新聞の記事「私見卓見：総合診療普及へ改革が必要」から

臓器別ではなく、人を診る医療へ

コラムの著者 川崎 真規氏（日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門 上席主任研究員）によれば、日本の医療では、いざ受診するときに「何かを受診すべきがわからなかった」という経験者は約5人に1人にのぼるという。複数の疾患を抱える人は65歳以上で約6割、75歳以上で約8割に上るという調査研究もあるという。今後高齢化に伴ってますます深刻な事態になる。

◯すでに台湾では整備されている

川崎氏が唱えているのは、この状態を解決する鍵の1つとして「総合医療」がある。現状の日本の医療制度では、内科、外科、耳鼻咽喉科などの専門分野ごとに医療サービスが提供されている。患者側はその症状ごとに受診科を選択する必要がある。一方、「総合診療」は「臓器別ではなく、人を診る医療」であり、患者の心身全体の状態を把握し対応する。

しかし、日本国内で総合診療が普及しているとは言い難い。そこには制度上の課題があるためである。その1つが、医療機関では「総合診療科」を院外の看板に記載できない規制がある。これにより患者は「総合診療をどこで受けられるか分かりにくい」という状況にある。さらにウェブ上では各医療機関が、それぞれの解釈で「総合診療」という言葉を使っているため、結局患者は総合診療とは何かわからないことになってしまう。

患者にとって「何でも相談できる」医療機関は、すでに台湾で整備されている。総合診療科を必ず含めた診療所がグループとして連携し、地域での総合医療をフリーアクセスの環境のもとで提供されている。救急利用や入院を減らし、医療費を抑制するなどの効果も出ている。さて日本国内の議論はどうか。💊🩻🩺🧑‍⚕️👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇹🇼