【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:『1日240時間』とリキッド消費」から

, , , , , , , , , , , , , ,

公開日

2025.11.1   日本経済新聞の記事「Deep_Insight:『1日240時間』とリキッド消費」から

テクノロジーを皮肉った前衛的なSF映画が1970年の万博会場で上映

コラムの著者 中村 直文氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、1970年の大阪万博の時に小説家である安部公房氏、監督勅使河原宏氏によるテクノロジーを皮肉った前衛的なSF映画「1日240時間」が上映された。当時は関心が低かったが、今は現実的に時間が加速度的速くなっていると感じている人も多いのではないか。

◯55年経って1日240時間の現実感が増した

中村氏によれば、映画「1日240時間」にあらすじは次のようだったという:

「ある科学者が人間の行動が10倍速になる『加速剤』を開発し、世間に広がっていく。工場の生産性は10倍にアップし、社会は活気付くように見えた。しかし労働時間が減った分、ゴルフなどの余暇人気が高まって大混乱する。しかも立ち読みや万引きが蔓延り、社会が混乱に陥る」

当時の反響は薄く、荒唐無稽なものに見えたようだ。今回注目を集めたのは、デジタル化で超高速社会が実現し、55年後の今になって1日240時間の現実感が増したからだという。

この映画の当時のスポンサーは日本自動車工業会であったという。つまり「自動車=加速剤」と読み取れ、明るい展望を示す万博であるのに、あえて不安な未来を示唆したことに驚く。

実際は加速剤はなく、社会が自律的に高速回転する今、これを理論的に説明する社会学の書籍があるという。「加速する社会 近代における時間構造の変容」(ハルトムート・ローザ著、福村出版)で、技術革新で労働の効率化が進むが、時間を持て余すまではいかず、人類はパラドキシカル(逆説的)な世界に直面すると説いた。こうした事態では変化を敏感に反映する消費社会に移行し、流動する環境に準えて「リキッド消費」という考えが生まれた。この概念は久保田進彦教授(青山学院大学)によれば、すでに2017年に英国で提唱されていたという。

リアルの消費現場でもリキッド消費化は進むという。例えば横浜中華街では、老舗の中華料理店が倒産する一方で、豚まんやスイーツなど食べ歩きの街として活気付いている。今や減速は難しく、企業も個人もこの現実からは逃れられない。せめてディストピアに陥らない「地図」作りが必要な時だと中村氏は指摘している。🧑‍💻🧑‍💼🚙🧠🤖💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🇯🇵🇬🇧

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です