2025.11.2  日本経済新聞の記事「＜サイエンスNextViews＞プラスティック汚染防止へ　『小さな条約』でも作れ」から

まずは互いに妥協して前に進む勇気を持つこと

コラムの著者 塙 和也氏(日本経済新聞社)によれば、プラスティック汚染防止に向けた世界初の国際条約の策定が難航しているという。プラスティックの生産を制限する条文をめぐって各国の溝が埋まらないことにあるという。1992年に生まれた国際気候変動枠組条約は温暖化ガスを減らす取り決めは最初は設定されなかった。今は約180カ国が削減目標を出している。小さな取り決めでも条約を生み出すことが次の一歩に繋がるのではないかと述べている。

○被害を受ける国と生産を伸ばしたい国は互いに譲らず

塙氏によれば、合意できない構図は単純だという。大量のプラスティック廃棄物が沿岸に押し寄せる島嶼国やEUはプラスティックの生産規制の条約への明記を主張している。原料となる原油を生産する中東諸国は猛反発している。各国が譲らず2年以上続いている。

気候変動の枠組みも当初、各国の意見の隔たりは大きかったが、温暖化ガスの削減は見送られたが、温暖化問題の重要性を世界に認知させることを優先とした。その効果から各国が削減に動き始めた。塙氏は、温暖化問題を事例に、プラスティック汚染防止も最初から削減交渉ではなく、汚染対策の重要性を各国で認知することから始めることを勧めている。

人でも魚や飲料水を通じて体内に取り込まれ、血液や肺からもプラスティックが見つかっているという。2060年になってもリサイクル率は2割以下と低い予想である。プラスティックは陸上で不適切に廃棄されると最終的に海や川に流れる。プラスティックは数百から千年単位で環境に残ると言われている。対策が喫緊なのは科学的見地からも時間がない。ようやく対策の重要性の認知は始まる機運にある。ここでお互いに妥協して前進することに勇気を持つことを塙氏は提唱している。🌊🐟💡🎓🧠🏢🗻🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵