2025.11.22 日本経済新聞の記事「(漢字そぞろ歩き) 「パンダ」を漢字でどう書くか」から
黒白争った「熊猫」と「猫熊」
コラムの著者 阿辻 哲次氏(漢字学者)は、パンダの漢字表記について中国、欧米、日本、台湾と関わってきたことを語っている。
◯毛皮の入手が目的であったパンダの狩猟
阿辻氏によれば、パンダは、1981年に中国がワシントン条約に加盟したことから、1984年に最も絶滅の危機に近い動物に分類され、商業的な取引が原則禁止されている。もともと棲息地域が四川省や甘粛省の山岳地帯であることから、野生の姿は見られない。だが、過去に稀に捕獲されると、白と黒が鮮やかな毛皮が珍重されたという。
1869年フランス人宣教師のArmand Davidが初めて動物学者としてパンダに目を向け、四川省の猟師から入手したパンダの毛皮をパリの自然史博物館に送っている。これを契機に欧州でもパンダという動物が知られるようになった。しかし、興味はその毛皮であったために狩猟の対象となった。さらに1930年以降は外国人によるパンダ狩りが横行するが、それに対して中国国内からパンダ保護の機運が高まる。1930年末にはパンダ狩りは禁止された。
そのころ日中戦争が激化し、多くの大学や研究所が、疎開をし始めた。疎開によって研究所付属の動物園に展示する動物が減り、魅力を維持するために野生のパンダを疎開した重慶市内の動物園に展示した。生きたパンダの姿を一般人がみれるようになったのは、これが世界で最初であった。
当時の展示では、パンダ展示施設の前の説明板に英語と中国語による名称を併記した。そのとき、漢字による動物名を英語の表記方式に合わせて、左から右への横書きで「猫熊」と書いた。動物学者は英語表記にも慣れていたため漢字表記に違和感がなかったが、一般表記は右から左への横書きとなっていた。それでパンダを「熊猫」と一般的に呼ばれた。しかし、パンダは猫と熊のどちらかに近いかというと「猫のような熊」であって「熊のような猫」ではない。実際に台湾では「猫熊」と表示され、2階にあるレストランも「猫熊餐庁」となっているという。
未だ「猫熊」か「熊猫」かの見解は、動物園関係者は「猫熊」、行政は「熊猫」となっていて論争は統一をみていない。🐼🧑⚕️👦👶🏫💬👩🤝❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳🇫🇷
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