2025.11.25 日本経済新聞の記事「私見卓見:製造業、メカ領域の強み生かせ」から
深刻なことは自動車業界の多くが危機を自覚していないこと
コラムの著者 石川 啓氏(EYステラテジー・アンド・コンサルティングアソシエートパートナー)によれば、自動車産業の注目点が大きく変わりつつあるという。従来のエンジン、車体、シャシー、内装といったメカ領域から、ソフトウェア定義車両(SDV)への付加価値が移行し、海外ではSDV分野への投資が急拡大しているという。日本企業の強みだったメカ領域の基盤が揺らぎ始めている。
◯ソフトウェアとメカを両輪として進化させる取り組みを加速させるべき
石川氏によれば、これまで日本の自動車が世界で信頼を獲得してきた理由として、品質を徹底的に追い込む「擦り合わせ開発」で機能、コスト、パッケージを高次元で最適化してきたことにあるという。だが、問題はベテラン世代の大量退職と若手の定着難で、この最適化能力が失われていくという。すでにその兆候として、初歩的な品質問題が散見されるようになっている。
さらに課題として、このような危機を業界の多くが自覚していない点にある。メカ領域は「できていて当たり前」とみなされたため、競争力を失いいつつある現実に気付かないまま、ソフト領域への投資を優先する流れが加速していることにある。一方、中国のような海外メーカーがSDVのみならず、メカ技術の経験も急速に蓄積し、着実に追い上げている。
ソフトへの投資は怠るわけにはいかないが、メカ領域の強みを過去の遺産にしてはならないと石川氏は警鐘を鳴らしている。むしろデジタルを活用し、擦り合わせの知見を形式知として蓄積・共有する仕組みを構築すべきであろう。設計から生産までの工程をデジタル化で統合できれば、これまでの熟練者の暗黙知を後世に引き継ぐことも可能となる。危機を認識し、業界全体が連携し、ソフトとメカの2領域を両輪として進化する取り組みを加速させるべきである。🚙🚗💬🧑⚕️👦👩🤝👨💡❤️👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳
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