2026.2.21 日本経済新聞の記事「(漢字そぞろ歩き)麒麟 」から
苦境から為政者救った聖獣
コラムの著者 阿辻 哲次氏(漢字学者)が取り上げた漢字は「麒麟」である。中国にアフリカのキリンがお目見えしたのは明の永楽帝から命を受けた鄭和が市場空前の大航海を行ったおかげであるという。
◯朝貢使が伝説上の聖獣「麒麟」として永楽帝に献上
阿辻氏によれば、鄭和は1492年に大西洋を横断したコロンブスのサンタ・マリア号よりも巨大な巨船で大小200隻以上の船団と2万人を超える乗組員を率いて、東南アジアからアラビア半島、さらにアフリカ東海岸に及ぶ大航海をおこなった。永楽帝の命は、南方の諸国に明国の国威を示し、交流のない国に朝貢を促すものであった。貿易の実利や武力による制圧などは眼中になかったと言われている。
鄭和の大航海の結果、それまで中国では知られていなかった多くの知識と事物が輸入され、首の長いキリンも中国にもたらされたという。鄭和隊がアフリカから持ち帰った「キリン」は英語で言うジラフ(giraffe)であったが、朝貢使が伝説上の聖獣「麒麟」として永楽帝に献上した。
「麒麟」とは聖人の統治により地上に最高の理想社会が現れた時に、天がそれを愛でて地上に派遣する成獣で、伝統的なイメージは「鹿に似て、牛の尾と馬の蹄を持ち、頭にはツノが1本ある」といった様子である。某ビールメーカーの缶ビールのラベルに描かれているものといえばわかりやすい。そんなめでたい成獣の到来を永楽帝は大いに喜び、絵に描かせたという。時の永楽帝の政権は、政変による権力奪取で世間からは白眼視されていたところに、「麒麟」の到来はその屈辱と後ろめたさを帳消しにする慶事であったらしい。⛵️🦒🏐🧑⚕️👦👶🏫💬👩🤝❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳
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