2026.2.27 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点: 『働きたい人は働く』でよいのか」から
働きたい人がたくさん働ける社会の是非
コラムの著者 門間 一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジーズエグゼクティブエコノミスト)によれば、日本企業での人手不足が経済成長の制約になっているとの論議から労働時間規制の緩和を求める声があるという。さらに門間氏は『働きたい人がたくさん働ける社会』の是非について議論している。
◯運用の適正性を徹底できるかが制度拡充の鍵
門間氏によれば、労働時間規制の緩和の1つの形態として裁量労働制や高度プロフェッショナル制度では、意欲ある働き手が挑戦・成長できる機会も増え、労使双方に利点があるが、運用によっては長時間労働につながる。実態として労働者側にあまり裁量がない場合もある。運用の適正性を徹底できるかが制度拡充の鍵であると言える。
一方、大きな論点として『働きたい人がたくさん働ける社会』そのものの是非があるという。ワーク・ライフ・バランス重視の人はそうできるという前提なら、働きたい人には好きなだけ働く選択肢があっても良いように思われる。考察すべきは、労働時間の制約が個人差があるという点である。これによっていくつかの問題が生じるという。
- 仕事の成果はその人の意欲や能力だけでなく、時間制約の有無が大きい。女性、高齢者など多様な人に活躍を期待することと、働きたい人が好きなだけ働ける社会を目指すことを綺麗に両立させることは困難である。
- 制約のない人が圧倒的に得をする社会なら、人々はなるべく制約が少ない生き方を選ぼうとするだろう。自らコントロールできない制約もあるが、結婚、出産などを避ける選択肢が増える。となれば、少子化対策と相性が悪い。
- 企業経営の視点からは、制約のない人に多く働いてもらうのが最も手っ取り早い。そういった選択肢があれば、制約のある人にとっても充実感があって、力を発揮できる組織づくりなどと考慮するといった面倒な経営改革は優先度が落ちるだろう。
さらに、日本の競争力の持続的な向上には、次世代の再生産や多様な人材の上手な活用法など、厳しい人口動態も踏まえた長期的な視点が必要となってくると門間氏は指摘している。💬🧑⚕️👦👩🤝👨💡❤️👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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