【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「〈サイエンスNextViews〉論文数値目標の危うさ:『測りすぎ』研究力そぐな」から

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2026.6.21 日本経済新聞の記事「〈サイエンスNextViews〉論文数値目標の危うさ:『測りすぎ』研究力そぐな」から

研究のスケールが縮みダイナミズムが削がれる危険性

コラムの著者 矢野 寿彦氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、日本政府も科学技術立国を実現するために今春始動した第7期科学技術・イノベーション基本計画において研究開発投資の大幅増を掲げている。研究力強化を標榜した「国際卓越大学」に選定された大学に対しても資金を増やしている。

○ドイツでは自主目標や取り組みに対する助成で促進

矢野氏によれば、日本政府の財政状況が厳しい中で、この英断は科学技術の再興にむけて期待が持てるという。だが、問題点がないわけではない。資金を投下する見返りを数値目標に求めた点が問題だと矢野氏は指摘している。同基本計画では10年以内にトップ級の論文数で世界3位(現状は13位)を目指すとしたことである。国際卓越大学1号、2号の東北大学や東京科学大学は様々なKPI(重要業績評価指標)をこなしていかねばならない。

数値目標の設定の副作用として、目先の数字達成が目的化して研究現場から自由を奪い、研究力を削ぐ懸念があるという。多くの研究活動は、プロジェクト型を除けば、研究者や大学人といった個の力量に負っている。大きな資金を投下したからといってそれに見合ったアウトプット(成果)が得られるとは限らない。イノベーションにつながるような発見・発明となると「偶然」にも左右される。

科学研究のこのような特性を理解しないで数値目標だけを課すとどうなるか。研究者は短期間で優れた論文をたくさん書こうと、時流に乗った「流行り」のテーマを取り上げ、結果を細切れにして発表することになる。つまり、極めて狭い分野に特化した数を稼ぐ研究となり、研究のスケールが縮み、ダイナミズムがなくなるという。実はこの四半世紀、数値目標へのこだわりが研究現場の萎縮と疲弊を生んでいる。研究関係者の全員が資金獲得のための書類申請や評価に加え、成果の公表などに忙しく研究に没頭する時間が激減しているという。

確かに世界は今や知識資本主義の真っ只中にあり、研究開発競争は厳しい。公的な資金を投入する以上、大学や研究機関に説明責任が求められるのは必要なことである。つまり、研究の自由と統治というトレードオフをバランスよく解決する手段を科学技術立国への施策の肝ではないのかと矢野氏は指摘している。

ドイツでは、自国の研究力を高めるために助成事業がある。あらかじめ選定した5つの研究機関に基盤交付金を毎年3%ずつ増加させる。見返りとして、「研究開発の活性化」「学知の社会への移転」などの5つの研究力増進指針の実践であって、具体的な目標や取り組みは対象の研究機関が自ら決め設定するものである。数値目標とは異なり、各研究機関が何をすれば良いのかが明白になるという。トップ10%論文や大学ランキングなどは研究力の一面であって、あくまでもこれらは研究の結果であって、数値目標にするのは危ういと矢野氏は指摘している。🧠🎓🏢🗻🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸🇩🇪

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