【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「(漢字そぞろ歩き) :「亰」も「京」もOK」から

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2026.10.17  日本経済新聞の記事「(漢字そぞろ歩き) :「亰」も「京」もOK」から

文字文化の豊かさ

コラムの著者 阿辻 哲次(漢字学者) 氏が注目しているのは、「亰」と「京」で、時代によって誤字かそうでないかという議論があったという。だが、字形の変化の背景には、紙による印刷時代以前では多くの素材に書き込まれ、刻まれたことからハード的な違いによる字形の広がりがあることが理由で、漢字文化の大らかで豊かな広がりを示していると阿辻氏は述べている。

◯時代に依存した漢字規範で誤字かそうでないかが決まる

阿辻氏によれば、JR京都駅の構内のお土産専門店で、「亰」の文字を見たという。「京」に横線1本を加えた「亰」である。確かに一見珍しそうだが、「亰」は珍事ではないという。例えば京都大学では戦前には、「亰都帝國大學新聞」が発行されていた。同様のことが、中国でも2005年に改修を終えた南京駅の上に「南亰站(日本では站は駅)」があり、どうように誤字ではないかとの議論があったという。

この「亰」が「誤字」であるか否かの判断は、文字の書かれた時代の漢字規範によって左右されると阿辻氏は指摘している。今の日本での「漢字の正しい形」は、「国語の教科書や権威ある辞典に載っている形」と考える人が多い。だが、教科書や辞典を刊行する出版社が、互いに連絡を取ることもしないで「規範」の字形を掲げるなら、その大元、ソースはどこにあるのであろうか。

規範は実は小学校と中学・高等学校以上で異なっている。小学校は、学習指導要領にある「学年別漢字配当表」に載る字形であり、中学・高等学校の教科書や一般の辞典では「常用漢字表」にある字形を転載している。いずれにしても、これらの規範は国家が策定する文字政策を示す書類や書籍に印刷された形で提示されている字形である。

歴史的にみると印刷の普及以前、具体的には中国明王朝14世紀以前までは、漢字は古くは亀甲や青銅器から竹や木の札、さらに石碑などに書かれ、ようやく後漢から中国南北朝時代になって、紙が普及した。各種素材に書かれた漢字は、素材と筆記道具の違いによるバリエーションが生まれてくる。そもそも、滑らかな紙に毛筆で文字を書く場合と、石碑や摩崖に鉄製の鑿(のみ)で文字を刻む時では、同じ形の漢字が書かれる方が珍しいという。このように字形の多様化は書写の環境(素材)やハードウェア(筆記道具)の違いによる、避けがたい現象であった。しかし、印刷の普及はそんな多様化した字形を統合し、画一化したと考えられるという。

漢字に関する規範は必要である。だが、これまでの文化と芸術の歴史で漢字は多様な姿を示してきた。今の教育は、「亰」を誤字とするが、それを理解しつつ、過去の状況を知れば、そこに漢字文化の大らかさと広がりが見えてきて興味深い。🎁🛕🚅🎓🧐👦👩🤝👨💡👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇨🇳🇯🇵

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