2026.7.22 日本経済新聞の記事「私見卓見:『令和シニア』の行動力に注目」から
全世界的にも高いICT利用率
コラムの著者 古賀 晋氏(博報堂ストラテジックデザインセンター)によれば、多くの日本企業では、これまで60歳以上を一元にシニア層として扱ってきたという。だが、高度経済成長期に育ち、かつて新人類と呼ばれた現在60代の新しいシニア層(令和シニア)は、70代以上の従来型シニア層とは明確に異なった意識や行動特性をもっており、むしろ40代や50代に近いという。
◯画一的なシニア層の扱いでは大きなビジネスチャンスを逃す可能性も
古賀氏の主張は興味深い。シニア市場、特に令和シニアを孤立したニッチと見るのではなく、次の社会インフラストラクチャーを先読みするインキュベーションフィールドと見るべきだという。令和シニアの小さな不便や不安を起点に、年齢を超えて使われる大きな価値へ育てる視点が必要だという。
まず、令和シニアにはデジタル弱者という固定概念は当てはまらないと古賀氏は主張している。令和シニアはスマートフォン保有率が約9割に達しており、インターネット検索の利用率は8割を超え、全世界的にも高い水準にあるという。この年代は情報を受け身に入手するのではなく、自分の関心や納得できる答えを主体的に探しに行く生活者である。このような新しい消費行動を画一的な高齢者という枠に押し込めることは、大きな機会損失だと古賀氏は述べている。
必要なのは企業側のマーケティングの発想転換であるという。社会の変化に幾度となく適応しながら価値観を形成してきた令和シニアは、不確実性の高い時代における普遍的な価値を映し出す存在になり得るという。令和シニアを未来社会を見通すレンズと捉え、全世代に通用する価値を生み出す「ロバスト(頑強な)マーケティング」へ移行すべきだという。
その兆候はすでにあるという。買い物が困難な高齢者を支えるために広がった「宅食サービス」は、いまや共働きや若年層の日常を支えるデリバリーインフラストラクチャーへと進化した。スマートフォンの使いやすさを高めるための開発思想は、高齢者や障害者向けの課題解決が少なからず反映されてきた。つまり令和シニアのような特定の生活者の制約を解く発想は、結果として社会全体の利便性を押し上げている。
日本の超高齢化を国難や負担としてのみ語ることは、未来の可能性を過小評価している可能性がある。世界に先駆けて実験場と捉え直し、変化の波を柔軟に受け入れてきた令和シニアを社会の羅針盤と位置付けることもできるのではないかと古賀氏は示唆している。📲🛜🧓👓💬🧠🏢🧑⚕️👦👩🤝👨💡❤️👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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