2026.10.24 日本経済新聞の記事「(漢字そぞろ歩き) :女性が口にするのをはばかる言葉」から
米飯を盛る「杓子(しゃもじ)」を杓文字と書く理由
コラムの著者 阿辻 哲次(漢字学者) 氏が注目しているのは、飲食で使う道具、杓子、杓文字、スプーンの呼び名で、杓文字と漢字で書く「文字」がどこから生まれたのかについて言及している。
◯起源は室町期の天皇や貴族に仕えた女官の「文字言葉」
阿辻氏によれば、杓文字の「文字」は、室町期の天皇や貴族に仕えた女官の「文字言葉」に起源があるという。天皇のすぐ側に仕えた女官は「女房」と呼ばれ、現代の意味とは異なる。衣食住にまつわる事物を独特の「女房言葉」で表現したという。
衣食住の言葉で、何らかの理由によって明確に口にしにくい概念や事物を、婉曲的にぼかして示す「文字言葉」があった。例えば、女房たちは自分たちの下着のことを、恥じらいを込めて、「ゆもじ(湯文字)」と呼んだ。つまり「ゆ」ではじまるアレと言う意味である。「ゆもじ」は宮中の湯殿で貴人の入浴を手伝う女房が袴がわりにつけていた下着のことを指す。
最も多い女房文字は食に関するもので、昔の日本では、「食事をする」行為そのものが、いじましく、浅ましいことと考えられていた。さらに貴人たちの間では「何人か楽しくお話をしながら食事をする」などとんでもない話で、飲食はできるだけ人目につかない形で行われたという。それ故、女房たちは「あさましく恥ずかしい」食事に関する事柄に、多くの婉曲的な言葉を生み出した。
椀に飯を盛るには「しゃくし」が必要だ。だが、食事に使うそんな道具を女房たるものが軽々しく口にはできない。そこで、「しゃ」から始まる道具と言う意味で、それを「しゃ文字」と呼んだという。🍲🌾🥄🎓🧐👦👩🤝👨💡👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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