2026.5.10 日本経済新聞の記事「データ爆発時代の記録媒体:DNAなど活用、大容量・長寿命」から
記憶媒体の寿命と読み書き速度は相反
コラムの著者 岩井 淳哉氏(日本経済新聞社・大阪本社編集局)によれば、世界的にデータ量が急増しているという。背景にAIやSNSの世界的な普及がある。一方、ほとんどのデータが短期間に失われ、数十分の1のデータがハードディスクなどの記録媒体に残せるに過ぎない。経済の発展や科学研究に役立つ貴重な情報を保管するために、生物の遺伝子を載せるDNAやダイヤモンドにデータを書き込む技術開発が進んでいるという。
○現在、生成されるデータは4年ごとに倍増
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できごと |
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数万年前 |
人類が洞窟や岩壁に描き始めた |
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約5000年前 |
メソポタミアで最古級の文字記録が出現 |
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2世紀 |
中国で実用的な製紙法が発明される |
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1950年代前半 |
磁気テープをコンピューター用の記録媒体として使い始めた。大量のデータを保存可能に |
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1956年 |
IBMが世界初の商用ハードディスク装置「RAMAC」を発表 |
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1982年 |
CDが商用化 |
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1990年代以降 |
半導体メモリーが普及し、記憶媒体が急速にデジタル化 |
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現在 |
人類が生み出すデータが4年ごとに2倍に増えるデータ爆発の時代に。次世代の記録媒体の研究が進む |
記録媒体の歴史
岩井氏によれば、AIやSNSの世界的な普及に伴って、データ量が急増しているという。ハードディスクなどに記録に残せるのは全体の数十分の1に過ぎず、大方は短期間に失われているという。そこで、経済の発展や科学研究に役立つ貴重な情報を保管するために、生物の遺伝子を載せるDNAやダイヤモンドにデータを書き込む技術開発が進んでいるという。
中国の南方科技大学などが2025年に米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載した論文では、カセットテープに理論上30億曲以上を録音できるという内容である。通常のカセットテープには磁気テープとしては数十曲しか録音できない。しかし、研究チームは人工的に合成した無数のDNAをプラスチック製のテープにつけた。カセットの容量を36ペタ(ペタは10の15乗)バイトと飛躍的に高められるという。DNAは4種類の分子が長く連なり、大量の情報を記録できる。さらに、このカセットは耐久性も表面を亜鉛イオンなどで保護すれば、データは室温で300年以上保存可能だという。今後は読み書きの速度を高め、企業と組んで製品化するという。
大量の情報を蓄えられない最大の理由はコストであるという。ハードディスクやフラッシュメモリーなどの記録媒体は電力を消費し、寿命も数年〜10年程度とされ交換や補修の費用がかさむ。これを打開するには、膨大なデータを長時間保管できる媒体の開発を進める。
中国科学技術大学はダイヤモンドを材料に、レーザーによって、数ミリのダイヤの内部に炭素原子1個分の微小な空洞を多数開けてデータを書き込んだ。光を当てた時の空洞の輝き方の相違によって情報を読み取る。2024年に英科学誌「ネイチャー・フォトニクス」に論文発表している。1立方センチメートルあたり1.85テラ(テラは1兆)バイトの記録が可能だという。ダイヤモンドは硬く、耐久性も高い。保守なしで数百万年規模の寿命が見込めるという。
適切に保管すれば1000年以上もつとされる和紙や碑石などに比べ、現在の記録媒体は情報を長期保管しにくい。貴重な資料を保管する国立国会図書館の担当者は「3〜5年ごとに新しい世代の媒体が発売され、データを読み書きする装置も使えなくなる」と明かしている。そのために数百年後の人類が残された情報を解読できずに、21世紀を「暗黒の時代」とみなす可能性を指摘する専門家もいるという。
デジタル技術の恩恵を受けながら、貴重なデータを後世に伝える知恵が求められている。🧬💎🚀🔬💻π∮📕🥇💡🎓🏢🗻🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳
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