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2026.5.25 日本経済新聞の記事「経営の視点:届かなかった『作品賞』」から

ネットフリックス去る創業者

コラムの著者 中西豊紀氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、米ネットフリックスの共同創業者で会長、リード・ヘイスティング氏が今年6月に同社を去ると言う。ゼロから構築した動画配信ビジネスは、今やハリウッドも巻き込むメディア経済圏を形成している。中西氏はその社歴を通して、成功の同社の原動力を探っている。

○ハリウッドも巻き込むメディア経済圏を形成

中西氏によれば、元々ネットフリックスはDVDを郵送でレンタルするスタートアップであったという。アナログ事業でありながら、2000年にはAIの概念を用いたデータ分析を始めている。ここにリード・ヘイスティング氏のこだわりがあるデータを駆使したマーケティングが始まった。当時は会員に視聴後のDVDを5段階で評価してもらい、会社側では各会員がつけそうな評価や共通性を視聴履歴などから推計していたと言う。実際の評価と予測値が極力近くなるアルゴリズムをつくりあげ、個々の会員に「おすすめ」作品を提案する狙いがあった。さらに、DVDには在庫の限界があり、新作以外の幅広い作品にレンタル需要を誘導する守りの戦略にも直結していた。

2007年に動画配信に舵を切り、膨大な作品群と会員を嗜好で結ぶ攻めの戦略ツールに大化けする。データの蓄積とともに分析精度は上がり、2010年代前半に独自のコンテンツ制作に乗り出してからは活用にも磨きがかかった。どんな監督や配役が狙った視聴者にウケるのか、どんな作品イメージがクリックを誘発するのかといった勘に頼らないコンテンツマーケティングを編み出した。2016年1月には世界190カ国・地域でサービスを展開するまでに成長した。

特筆すべきはデータの質へのこだわりがある。例えば、キャンペーンでアカウント数の増加を狙って増やしたアカウントで、ログインもしないアカウントは有料であっても、データ分析にノイズが混ざるとしてリード・ヘイスティング氏はメールで解約手続きを促したと言う。

ブレのないデータ経営であったが、壁もあった。需要分析を駆使した自前作品は数々の賞を獲得したが、米アカデミー賞で最重要な「作品賞」には手が届かない。リード・ヘイスティング氏はハリウッドに対してコンプレックスに似た思いを抱いていたとされ、2018年の時、中西氏がリード・ヘイスティング氏を取材したときに「データは万能ではない」と答えたという。このことは日本企業がAIを導入実装する際に大きな示唆を含んでいる。まず、アナログ、デジタルに関わらずデータは日々のビジネスに埋もれているということだと中西氏は指摘している。ただし、データだけでは勝てないという現実で、人間の感性やひらめきをどうデータと組み合わせるかが、ネットフリックスだけの宿題ではないということである。🥇💡🎞️🍿🏢🗻🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸

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