2026.5.29 日本経済新聞の記事「私見卓見:電力データ公開で行動変容促せ」から
発電コストの低減は国の競争力を左右する
コラムの著者 大沢 義明氏(麗沢大学工学部教授)によれば、生成AIや自動運転の普及などで、日本国内の電力需要は確実に増加すると見込まれている。しかし、日本の電力料金は主要国の中でも高く、発電コストの低減は、国力を左右する重要な課題であると大沢教授は指摘している。
◯需要調整の対象が定量的に把握されていない
大沢教授によれば、これまでの電力価格の議論の中心は、発電方式や電源構成などの供給側の問題に重点が置かれていたという。電気は大規模な貯蔵が難しく、需給バランスを保たねばならない。送電側の増強や蓄電池の導入などの対策費用も最終的に電力料金に反映されている。だからこそ、ここで需要側の視点が必要となってくる。
電力価格の安定には、時間帯ごとの需給調整が欠かせない。供給側の制約が強くなると、住民や企業の行動変容ができるかが、持続的な低価格を実現するキーとなる。しかし、問題は、「どの地域で」「その時間帯に」「どの程度」需要を調整すれば電力系統の負担を軽減できるのかと基本的で定量的な情報が十分に共有されていない実態がある。
共有が進まない背景に電力需要データの公開のあり方にあるという。地域別・時間帯別の需要情報は電力会社や関係者の事情によって粒度が粗く、市区町村レベルでも詳細な分析が難しい。折角の地方自治体や地域レベルで取り組んでいる温暖化対策の地道な努力が、電力需要や価格の安定に寄与した評価を検証する仕組みが十分でないという。
自動計測・送信する各世帯向けのスマートメーターもデジタル基盤として構築できてきている。さらに人流データではすでに500メートル単位の統計情報が利用されている。同様な工夫をすれば、電力データも社会に開くことは可能ではないか、と大沢教授は見ている。データが公開されれば分析する人材は多数存在する。多様な視点から政策を検証し、より良い解決策を見出すことも期待できる。専門家はもちろん、多くの市民の目で電力データを読み解くことで、効率化はもちろん、市民の当事者意識も高まり、電力需要側の行動変容につながると、大沢教授は期待している。🚙🧠⚡️🧑⚕️👦👩🤝👨💡❤️👦👧💰📓🗺️🚢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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